基礎製図検定で学ぶ、立体を図面で表し、図面から形を読み取る力は、機械や建築を学ぶ際にも役立ちます。合格後に自分で図面を描き、模型や試作品で確かめる経験を積むと、大学で学びたい内容も見つけやすくなります。
2027年度入試では、倉敷芸術科学大学の公募推薦B方式に基礎製図検定が掲載されています。日本工業大学やものつくり大学には、図面や制作経験を説明する総合型選抜もあります。
資格そのものが評価される方式と、資格を学んだ後の活動を伝える方式を比べ、自分の進みたい分野に合う準備を考えてみましょう。
基礎製図検定の内容と合格基準
主催は公益社団法人全国工業高等学校長協会です。製図の基礎知識と投影図法の理解を確かめる検定で、2026年度の要項では、主として高校1年次で履修する内容が対象です。
試験時間は70分、100点満点で70点以上が合格です。立体図から投影図を描く問題、投影図から立体図を考える問題、不足している線の追記、断面図、補助投影図、展開図などが出題されます。級別の試験ではなく、合格として認定されます。
名称の似た機械製図検定は、第一次・第二次の試験がある別の検定です。基礎製図検定の合格を、機械製図検定の合格や一次合格と読み替えることはできません。証明書に記載された資格名を、そのまま出願書類に記入してください。
出典:全国工業高等学校長協会「第39回基礎製図検定試験実施要項」
基礎製図の学びを生かせる大学一覧
| 大学・分野 | 選抜方式 | 資格・活動の活用方法 |
|---|---|---|
| 倉敷芸術科学大学・芸術学科など | 学校推薦型選抜・推薦B方式 | 基礎製図検定の合格が資格等確認書に明記 |
| 日本工業大学・機械工学科、建築学科など | 総合型選抜・活動アピール型 | 資格取得報告と、図面・製作物を用いた説明が可能 |
| ものつくり大学・情報メカトロニクス学科、建設学科 | 総合型選抜・テーマ選択型 | 自己表現型で制作物のポートフォリオなどを利用できる |
日本工業大学とものつくり大学は、基礎製図検定固有の加点や、検定合格を必須とする方式として紹介しているものではありません。製図の学習を自分の制作・探究に使い、その内容を伝える進路として考えられます。
倉敷芸術科学大学の公募推薦B方式
倉敷芸術科学大学の2027年度推薦B方式では、資格・活動の評価に50点の配点があります。資格等確認書には、全工の基礎製図検定「合格」の欄が設けられています。
50点は資格・活動の評価全体の配点で、基礎製図検定の合格だけで50点になるという意味ではありません。出願する際は、取得資格を証明できる書類を学校へ示し、推薦書の確認欄を正確に記入してもらいましょう。
学校長の推薦を受け、大学の出願資格を満たす人が対象です。高校卒業者・2027年3月卒業見込みの人などの大学入学資格が必要で、国内学生の国籍・在留資格の条件もあります。確認した方式の要項には、出願のための数値による評定基準はありません。
選考は150点満点で、基礎テストまたは実技試験50点、調査書50点、資格・活動50点です。調査書は全体の学習成績の状況を10倍して評価します。芸術学科では現代の国語、鉛筆デッサン、イメージ表現から選択できます。出願時には「大学での目標」も入力します。
推薦B方式は公募の方式で、専願制の総合型選抜とは区別されています。形や空間を図で伝えることへの関心が、大学の芸術学科でどの学びにつながるのか、学科の教育内容も見てみましょう。
出典:倉敷芸術科学大学「2027年度 推薦A方式・B方式」19~20ページ
日本工業大学の活動アピール型
日本工業大学の2027年度総合型選抜「活動アピール型」は、高校生活や部活動、私生活などで主体的に取り組んだ経験を評価する入試です。基幹工学部機械工学科、建築学部建築学科なども対象です。
出願書類には、調査書、志望理由書、活動状況・資格取得報告書があります。資格の証明書がある場合は写しを添付し、面接では図面、製作物、写真などを使ってプレゼンテーションすることもできます。用意した資料を説明するためのパソコンやタブレットは持参する必要があります。
高校既卒者・2027年3月卒業見込みの人など、大学入学資格を持つ人が対象です。要項の出願資格には数値による評定基準は設けられておらず、書類審査と面接によって評価されます。他大学との併願も可能です。
基礎製図の合格後に描いた図面があれば、何のために作図したのか、どこで読み違いが起き、どう直したのかを説明してみましょう。検定の成績だけを伝えるより、自分の理解や工夫が具体的になります。
出典:日本工業大学「2027年度 総合型選抜・活動アピール型 募集要項」2~4ページ
ものつくり大学のテーマ選択型
ものつくり大学の2027年度総合型選抜「テーマ選択型」には、4つのテーマがあります。このうち自己表現型では、これまでの経験や将来像から、自分が大学にふさわしい人物であることをアピールします。制作物がある場合は、ポートフォリオなどの利用が可能です。
情報メカトロニクス学科や建設学科を志望する人にとって、製図を使った制作の過程は説明の材料になります。例えば、図面を描いてから模型を組み立て、組み立てにくかった部分を修正した経験を、写真や図面の変化とともに整理する方法が考えられます。
選考は面接・口頭試問と書類審査です。出願書類には志願理由書、テーマ選択型レポート、調査書が含まれます。高校卒業者・2027年3月卒業見込みの人などの大学入学資格が必要で、出願資格に評定の数値基準はありません。
Ⅲ期は専願、Ⅳ期・Ⅴ期は併願が可能です。この方式には基礎製図検定固有の加点は示されていません。授業や課題研究で自分が考え、工夫したことを伝える準備を進めましょう。
出典:ものつくり大学「2027年度 テーマ選択型 募集要項」18ページ
合格後に取り組みたい制作・探究
図面と実物を比べ、自分の描き方で伝わるかを確かめる経験が、推薦入試で話す材料になります。以下は今後の活動例で、検定の課題や大学の必須提出物を示したものではありません。
立体模型で投影図を確かめる
紙や厚紙で簡単な立体模型を作り、正面・上・横から見た形を図に表してみましょう。見えない線や穴の位置をどう示すかを考え、模型と図面が一致しているかを確かめます。間違えた図面も残すと、自分が理解した過程を振り返れます。
展開図から使いやすい形を考える
小物入れや整理用の箱など、身近な用途を決め、展開図と模型を作る方法があります。組み立てやすさ、材料の使い方、使う人の動作などを比べ、形を変えた理由を記録してください。完成品の見た目と、使って分かったことの両方が説明の材料になります。
図面を人に読んでもらう
自分が描いた図を、同じ授業を受けている人などに読んでもらい、どの情報が伝わったかを確かめる方法もあります。説明が足りなかった部分や、誤解された線・寸法を整理すると、正確に伝えるために必要な工夫を考えられます。
志望理由書と面接の準備
志望理由書には、検定を受けた理由、学んだ内容を使った活動、活動中に生まれた疑問、大学で学びたいことをつなげて書いてみましょう。資格取得前後で、どのように図面を理解できるようになったかも振り返る材料です。
例えば、箱の模型を作る過程で材料や接合部分によって強さが変わることに関心を持ったなら、大学で構造や材料について学びたい理由を考えられます。実際の試作結果を踏まえ、まだ確かめられていないことも分けて説明してください。
資格の合格、制作の成果、自分が担当したことを分けて伝えると、活動の中身が具体的になります。グループ制作では、自分の作図・測定・検証と、チーム全体の成果を区別しておきましょう。
大学別の志望理由書例文
基礎製図検定と推薦入試のよくある質問
基礎製図検定に級はありますか
確認した2026年度の要項は級別ではなく、100点満点で70点以上を合格としています。「基礎製図検定1級」などの名称を独自に付けず、証明書どおりに記載してください。
図面があれば、どの方式にも提出できますか
提出できる資料は方式によって異なります。日本工業大学の活動アピール型や、ものつくり大学の自己表現型のように、資料の扱いが示された方式で準備してください。
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志望理由書と面接に向けて、資格や探究の経験を自分の言葉で説明できるように支援します。
- 合格第一志望
合格へ
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