工業高校などで学んだ製図やCADの技術は、大学の機械・建築分野への進学にも生かせます。初級CAD検定を取得した人は、資格を使える総合型選抜・公募推薦を調べてみましょう。
初級CAD検定を資格点の対象に含む摂南大学、面接加点に使える東京工芸大学など、取得した資格を評価する方式があります。出願資格となる評定や在籍学科、数学の試験も合わせて準備することが大切です。
2027年度の4大学の例と、図面・制作経験を志望理由書や面接につなげる方法を紹介します。
初級CAD検定とは
初級CAD検定は、公益社団法人全国工業高等学校長協会が実施する検定です。機械系・建築系の工業技術者に必要な製図の基礎知識と、CADの基礎的な利用技術を確かめます。
機械系と建築系があり、いずれも筆記試験と実技試験で構成されます。筆記はCADの機能・用語や製図の知識、実技は機械部品や木造平屋建住宅の作図などを扱います。合格基準は、筆記・実技ともに70点以上です。
初級CAD検定と、CAD利用技術者試験などの別資格は区別してください。大学の資格表では、合格証書と同じ資格名を探し、主催団体まで照らし合わせると確実です。
出典:全国工業高等学校長協会「第26回初級CAD検定試験」実施要項・手順
初級CAD検定を活用できる大学・方式
| 大学・学部等 | 選抜方式 | 初級CAD検定の扱い |
|---|---|---|
| 摂南大学・理工学部 | 総合型選抜・専門学科・総合学科出身者入試 | 合格が資格点3点に該当。専門学科等の現役生が対象 |
| 埼玉工業大学・工学部 | 公募推薦入試 | 資格優遇の対象。加算点数は要項に記載なし |
| 東京工芸大学・工学部機械/建築コース | 公募制(併願・特待生) | 面接加点の対象資格に掲載 |
| 拓殖大学・工学部 | 総合型選抜Ⅰ期・Ⅱ期(自己推薦方式) | 書類審査の資格点の評価内容に掲載 |
各大学の2027年度資料に初級CAD検定が明記されている例です。資格を持っていることと、出願条件を満たすことは分けて確認しましょう。
摂南大学理工学部は資格点3点
摂南大学の総合型選抜「専門学科・総合学科出身者入試」では、初級CAD検定の合格が理工学部の資格点3点に該当します。資格点全体の上限は25点です。
例えば機械工学科では、高校等の専門学科・総合学科を2027年3月に卒業見込みで、全体の学習成績の状況3.5以上などの条件があります。普通科の生徒を資格だけで対象に含める方式ではありません。
機械工学科の選考は、数学Ⅰ・Ⅱと英語コミュニケーションⅠの適性検査100点、面接100点、調査書25点、資格点25点の計250点です。同区分は最高実績を使い、異区分の資格点を合算しても25点までとなります。併願制です。
建築学科では適性検査に描画が含まれ、配点も異なります。機械工学科の科目・配点を、理工学部すべてに当てはめないようにしてください。
出典:摂南大学「2027年度総合型選抜学生募集要項」40〜42・55・63ページ
埼玉工業大学の公募推薦と資格優遇
埼玉工業大学の2027年度公募推薦では、初級CAD検定が資格優遇の対象に挙げられています。合格証書などの写しを出願書類と一緒に提出する方式で、検定ごとの加算点数は公表されていません。
工学部機械工学科を例にすると、2026年3月卒業者または2027年3月卒業見込み者などが対象で、学習成績の状況3.3以上と学校長の推薦が必要です。他大学との併願も可能です。
選考は書類審査50点、口頭試問を含む面接50点です。機械工学科の基礎学力の範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Aと物理基礎。CADの操作と合わせて、寸法や力学に関する基礎も説明できるようにしておきましょう。
出典:埼玉工業大学「2027年度学校推薦型選抜・公募推薦入試要項」5〜6ページ
東京工芸大学の機械・建築コースは面接加点
東京工芸大学工学部工学科の2027年度公募制では、機械コースと建築コースの面接加点対象に初級CAD検定が掲載されています。同表の対象資格を一つ持つ場合は3点、二つ以上は7点です。資格を証明する書類の写しを提出します。
全体の学習成績の状況3.0以上と学校長の推薦が必要です。2026年4月1日から2027年3月31日までの高校等卒業・卒業見込み、または2025年度卒業などの条件があります。
選考は数学Ⅰ・Aの記述式試験100点と面接100点です。面接では、志望コースの学びに関わる経験や関心も確認されます。CADを使って作成したものについて、図面の目的と自分の工夫を振り返ってみましょう。併願可能な方式です。
出典:東京工芸大学「2027年度工学部学生募集要項」19〜20ページ
拓殖大学工学部の自己推薦方式
拓殖大学の2027年度総合型選抜Ⅰ期・Ⅱ期(自己推薦方式)では、工学部の資格点の評価内容に初級CAD検定が掲載されています。資格・活動実績記入表と、証明資料または写しを提出して評価を受けます。
初級CAD検定は書類審査で扱う資格の一つで、取得だけで合格が決まる方式ではありません。書類審査100点のうち、高校生活・課外活動・資格取得等の評価が50点、学業成績点が50点です。初級CAD検定単独で50点になるという意味ではありません。
機械システム工学科を例にすると、基礎数学100点と面接150点もあります。学業成績点は全体の評定と、数学・理科のうち高い方の評定を使って計算します。
高校等卒業者・2027年3月卒業見込み者などが対象で、出願資格に評定の数値基準は示されていません。学部・学科の方針を理解し、学ぶ目的を持つことが必要です。他大学との併願が可能です。
出典:拓殖大学「2027年度総合型選抜入学試験要項」51〜57ページ
図面を描ける力から、設計を考える力へ
推薦入試では、何を考えて描き、どのように確かめたかまで伝えられる実績を目指しましょう。完成図だけでなく、条件や修正の記録が、学習の過程を説明する材料になります。
| 今後の活動例 | 残したい記録 | 大学で深めたい内容 |
|---|---|---|
| 部品の形や寸法を変えて比較 | 図面、設計条件、変更理由、測定 | 強度や加工しやすさを考えた設計 |
| 身近な空間の使いやすさを検討 | 実測値、平面図、利用者の意見 | 人の動きと建築計画の関係 |
| 図面から模型を制作 | 図面と模型の対応、誤差、修正 | 図面を形にする際の課題 |
これらは今後の活動例です。実際に行ったことを出願資料に使い、共同制作では担当部分を明確にしてください。製作・実験は学校の指導のもと、安全に取り組みましょう。
志望理由書では「きっかけ→製図や制作→気づいた課題→大学で深めたい学び」をつなげると、自分の経験をもとに説明できます。面接では、寸法や配置を選んだ理由を図とともに話す練習が役立ちます。
大学別の志望理由書例文
初級CAD検定と推薦入試のよくある質問
機械系と建築系はどちらでも同じ扱いですか
検定自体には機械系・建築系があります。一方、大学の資格表は「初級CAD検定」と掲載している場合があります。合格証書の区分と志望学科を確認し、表で判別できない条件は大学に確認してください。
図面や作品を作れば、自動的に加点されますか
資格点は大学が定めた対象資格と提出条件によります。自分で制作した図面・作品は、志望理由書や面接で経験を説明する材料として準備し、提出できる資料の範囲は要項に従ってください。
FLOW実績づくりから出願まで、高校生活の流れに沿って支えます
- STEP 01高1〜高2資格・コンテストに挑戦
理系大学が評価する資格やコンテストに、知識ゼロから挑戦します。
- STEP 02高2〜高3春高大接続プログラムに挑戦
大学・研究機関の講座や研究体験への参加を、応募から支援します。
- STEP 03高3夏〜秋出願書類と面接で仕上げる
志望理由書と面接に向けて、資格や探究の経験を自分の言葉で説明できるように支援します。
- 合格第一志望
合格へ
スキルパスでCADの学習を大学進学へ
スキルパスでは、資格と評定、興味のある分野から総合型選抜・公募推薦の出願先を一緒に考えます。資格学習や制作・探究に加え、数学などの基礎、志望理由書・小論文・面接まで、オンラインの個別指導で徹底伴走します。
初級CAD検定を出発点に、自分の設計や制作を説明できる実績を整えましょう。資格を使える大学や出願準備は、下の無料受験相談フォームからご相談ください。


