グラフィックデザイン検定で学んだ知識や表現の技術は、情報・メディア・デザイン分野の大学進学にも生かせます。取得した級を評価する入試と、自分の作品や制作経験を伝える入試の両方を調べてみましょう。
2027年度入試では、福岡工業大学、倉敷芸術科学大学、金城学院大学の資格評価に、全工のグラフィックデザイン検定が掲載されています。必要な級や評定、資格の評価方法は大学ごとに異なります。
検定合格に向けて学ぶだけでなく、誰に何を伝えるデザインなのかを考え、自分で制作し、改善した経験も積んでいきましょう。
全工グラフィックデザイン検定の級と合格制度
主催は公益社団法人全国工業高等学校長協会です。マルチメディアに対応する人材の育成を目指し、グラフィックデザインの知識・技術を確かめます。
2026年度の実施要項では、2級・3級は60分の筆記試験で、60点以上が合格です。1級は60分の筆記試験に加え、90分の実技試験があります。筆記だけで1級合格になるわけではありません。
1級には「1級合格」と、より低い合格点の「準1級合格」という2段階の合格枠があります。準1級は独立した受検枠ではなく、1級の受検結果として認定されるものです。大学の資格表に準1級の扱いが示されていない場合は、証明書の表記を伝えて確認してください。
今年度の検定基準日は2027年1月15日、認定日は2月5日です。秋の出願で使う資格は、出願に間に合う時期に取得済みである必要があります。2026年度の検定を受ける予定だけで、2026年秋の資格条件を満たすことはできません。
出典:全国工業高等学校長協会「第31回グラフィックデザイン検定試験実施要項・手順」
グラフィックデザイン検定を評価する大学一覧
| 大学・対象分野 | 選抜方式 | 資格の条件・評価 |
|---|---|---|
| 福岡工業大学・デジタルメディア学部 | 総合型選抜タイプⅢ【有資格】 | 2級以上を対象資格に明記。数学の評定平均値3.2以上 |
| 倉敷芸術科学大学・芸術学科など | 公募推薦B方式 | 2級以上・3級を資格等確認書に掲載。資格・活動全体で50点 |
| 金城学院大学・情報デザイン学科など | 総合型選抜・資格・活動評価型 | 1級がA、2級がB、3級がCの評価区分。女子を対象とする大学 |
表は検定そのものを資格表に掲載している方式です。作品提出を認める別の入試があっても、検定の加点条件と同じものとして扱わず、受験する方式の要項に合わせて準備しましょう。
福岡工業大学の総合型選抜タイプⅢ
福岡工業大学の2027年度総合型選抜タイプⅢ【有資格】では、グラフィックデザイン検定2級以上がデジタルメディア分野の対象資格です。対象資格表の該当欄はデジタルメディア学部で、他の学部・コースへ一律に使えるものではありません。
高校卒業者・2027年3月卒業見込みの人などが対象で、数学の評定平均値3.2以上が必要です。合格した場合は必ず入学する専願制で、入学予定者には入学前教育の受講も求められます。
選考は、テーマ提示型の小論文100点、面接100点、資格点100点です。小論文は500字・30分。資格点100点は資格評価の配点で、2級を持っていれば自動的に100点になると読み替えないようにしましょう。
出願時には調査書、資格証明書の写し、志望理由書を提出します。対象資格が複数あればすべて提出する必要があります。期限までに証明書の写しを提出できなければ出願できず、受験スコアやウェブ上の合格確認だけでは認められません。
資格学習で理解した色やレイアウトを、情報を伝える制作へどう生かしたいか考えてみましょう。例えば学校案内の見やすさを改善した経験があれば、使う人の反応や修正の理由を振り返ると、情報とデザインを学びたい理由も具体的になります。
倉敷芸術科学大学の公募推薦B方式
倉敷芸術科学大学の2027年度推薦B方式には、資格・活動を評価する50点の配点があります。資格等確認書に、グラフィックデザイン検定2級以上と3級が掲載されています。
資格・活動50点は、活動も含めた評価全体の点数です。資格表の欄の位置から独自の加点を計算せず、取得した級を証明できるようにしておきましょう。資格の証明書類を学校に提示し、推薦書の確認を受ける準備が必要です。
出願には学校長の推薦と、大学入学資格を満たすことが必要です。高校卒業者・2027年3月卒業見込みの人などが対象で、国内学生には国籍・在留資格の条件もあります。推薦B方式の出願資格に評定の数値基準はありません。
選考は150点満点で、基礎テストまたは実技試験50点、調査書50点、資格・活動50点です。調査書は全体の学習成績の状況を10倍して評価します。芸術学科では現代の国語、鉛筆デッサン、イメージ表現から選択できます。出願時には「大学での目標」も入力します。
検定で学んだことと、大学で取り組みたい表現分野を結びつけて考えましょう。実技を選ぶ人は、検定の筆記対策と並行して、選択する試験の形式に合わせた練習も必要です。
出典:倉敷芸術科学大学「推薦A方式・B方式」19~20ページ
金城学院大学の資格・活動評価型
金城学院大学の2027年度総合型選抜「資格・活動評価型」では、全工グラフィックデザイン検定が1級はA、2級はB、3級はCのランクに掲載されています。デザイン工学部の情報デザイン学科・建築デザイン学科などが対象です。
女子を対象とし、高校卒業者・2027年3月卒業見込みの人などの大学入学資格と、出願時点で対象資格または活動実績を持つことが必要です。公式の出願資格には評定の数値基準は示されていません。
志望理由書20点、資格・活動の評価50点、面接30点の100点満点で選考します。志望理由書は800字以内で、試験当日は面接のみです。資格のランク別評価と、自分の学びたい分野への意欲を伝える準備を合わせて進めましょう。
合格した場合は必ず入学する専願制です。合格後は他の入試を受けられないため、大学で学ぶ内容を確認したうえで出願を考えてください。
資格の学びを作品・探究で示す活動例
見栄えのよい完成品に加え、目的、試作、相手の反応、改善の過程を残しましょう。以下は今後の活動例です。大学の必須提出課題や、過去の合格者の制作実績ではありません。
同じ情報を、相手に合わせて作り直す
学校行事の案内を題材に、小学生向け、保護者向けなど、読む人を変えてレイアウトを考えてみます。文字の大きさ、色、情報の順番を変え、どこが分かりやすかったかを聞いて改善しましょう。調査相手と質問内容、修正した部分を記録すると、判断の理由を説明できます。
ポスターとウェブ画面の伝わり方を比べる
同じ内容を紙面とスマートフォンの画面に配置し、それぞれで読みやすい形を試します。画面の幅や閲覧時間によって、情報の見せ方をどう変える必要があるかを考える活動です。複数の案と修正履歴を残せば、完成品に至るまでの工夫も伝えられます。
制作物を第三者へ説明し、意見を受ける
作品を見せて、何を伝えたいと思ったか、どこに迷ったかを聞いてみましょう。自分の意図と相手の受け取り方が違った箇所を、次の改善に使えます。使用した画像や書体などの出典も記録し、本人が制作した部分を説明できるようにしておきます。
志望理由書・面接で制作経験を伝えるには
志望理由書では「デザインが好き」という気持ちに続けて、誰に何を伝えたくて制作したのかを書いてみましょう。制作中に分からなかったことや、調べても解決しなかったことから、大学で学ぶ理由を考えると、自分の経験とのつながりが生まれます。
面接では、なぜその配色や配置を選んだのか、相手の意見で何を変えたのかを話せるようにしておきましょう。作品やポートフォリオを提出・持参できるかは方式ごとに異なります。資格の証明として出す書類と、制作経験を説明する資料を区別して準備してください。
大学別の志望理由書例文
FLOW実績づくりから出願まで、高校生活の流れに沿って支えます
- STEP 01高1〜高2資格・コンテストに挑戦
理系大学が評価する資格やコンテストに、知識ゼロから挑戦します。
- STEP 02高2〜高3春高大接続プログラムに挑戦
大学・研究機関の講座や研究体験への参加を、応募から支援します。
- STEP 03高3夏〜秋出願書類と面接で仕上げる
志望理由書と面接に向けて、資格や探究の経験を自分の言葉で説明できるように支援します。
- 合格第一志望
合格へ
スキルパスで資格と制作を受験対策へ
スキルパスでは、取得した級、評定、制作経験をもとに、総合型選抜・公募推薦の大学選びから対策までを支援します。資格の学習、作品・探究の実績づくり、志望理由書・面接を、志望校に合わせて準備しましょう。
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