嵯峨美術大学の総合型選抜Ⅱ期は、持参作品とポートフォリオをもとに行う面接型です。完成作品を見せるだけでなく、制作の経緯や表現の意図、大学で学びたいことを自分の言葉で説明する準備が大切です。
この記事は2027年度の公式入試情報をもとに、四年制大学の造形学科・デザイン学科を対象として整理しています。質問・回答例は独自の架空の練習用で、実際の過去問、出題予告、合格者の回答ではありません。短期大学の試験日・選考と混同しないようにしましょう。
嵯峨美術大学の総合型Ⅱ期は作品持参の面接型
総合型選抜Ⅰ期・Ⅱ期は、体験授業や面接を通して、受験生と大学が互いの考えや学びを理解する選考です。Ⅱ期の造形学科・デザイン学科では、持参物をもとにした面接と提出書類から、志望領域ごとに出願可否を判定します。
| 方式 | 選考の特徴 |
|---|---|
| 総合型Ⅰ期:体験授業型 | 制作、発表、講評などの授業への取り組みと提出書類を総合評価 |
| 総合型Ⅱ期:面接型 | 作品1点、ポートフォリオ、提出作品自己作成証明書を持参して面接 |
| 総合型Ⅲ期:実技型 | 造形は鉛筆デッサン。デザインは鉛筆デッサンまたはイラスト表現 |
面接型では、作品1点とポートフォリオ、提出作品自己作成証明書が必要です。作品の内容だけでなく、持参・提出の条件も確認しましょう。
公式ページには面接の開始時刻が示されていますが、受験生1人あたりの面接時間は明示されていません。「10時から」という開始時刻を、面接の長さと取り違えないでください。
造形では日本画・古画、油画・版画、複合など、デザインではグラフィック、イラストレーション、キャラクター、観光、生活プロダクト、染織・テキスタイルなど、志望する領域の学びを確認します。自分の表現上の関心と、その領域で学ぶ理由をつなげることが重要です。
持参作品とポートフォリオの条件を押さえる
持参する作品は、過去3年以内に制作し、本人が制作の経緯や意図を説明できるもの1点です。自らの責任で搬入・搬出できるものに限られ、大学による事前受取りや返送、運搬補助はありません。
映像作品以外のデジタル作品は、プリントアウトして持参します。映像作品を持参する場合は1分以内で、再生用機器も必要です。作品の形式と機材の準備を、実際に持参する内容に合わせて確かめてください。
ポートフォリオはA4サイズです。持参作品を必ず含め、作品点数はその持参作品を含めて4点まで。枚数やレイアウトは自由ですが、表紙は大学所定用紙を使い、ボールペンで記入する指定があります。面接時に提出し、返却はありません。
ポートフォリオは「4ページまで」ではなく、「持参作品を含めて4作品まで」です。点数とページ数を混同しないようにしましょう。
掲載作品は、何を考えて制作したのかを説明できるものを選びます。制作時期、目的、素材・技法、工夫、途中で変えたこと、今後の課題を整理すると、質問に応じた説明の練習ができます。
提出作品自己作成証明書は、持参作品とポートフォリオ内の作品を、すべて受験生本人が制作したと誓約する書類です。他人の制作物を自分の作品として扱ったり、経験していない制作過程を作ったりしてはいけません。指導・助言を受けた場合も、自分が考え、制作した範囲を説明できるようにしましょう。
制作意図と志望領域で学ぶ理由を整理する
作品説明では、見た目の紹介に加え、なぜその主題を選び、なぜその素材・構成・表現方法を使ったのかを言葉にすることが大切です。完成後の評価だけでなく、途中で試したことや、うまくいかなかった点も振り返ってください。
造形学科なら、対象の観察、素材との関わり、描写や構成、表現上の問題意識などを整理できます。デザイン学科なら、誰に何を伝えたいか、どんな場面で使うか、調査や試作から何を変えたかを整理する練習が役立ちます。これは対策上の観点で、大学が公表した面接質問そのものではありません。
総合型Ⅰ期の造形学科では、素材を活かした立体構成と描画に加え、グループでの発表・合評があります。デザイン学科では、当日のテーマに沿う企画・デザインを図解と文章で表現し、発表・講評を行います。Ⅰ期の授業で何を学んだかを説明する準備と、Ⅱ期の持参作品の説明は分けて考えましょう。
資格やコンテストの経験が本人にあるなら、制作の関心や学習とどう関係したかを振り返れます。受賞名だけを並べるより、取り組んだ内容、試行錯誤、その後の制作の変化を説明することが重要です。特定の資格・受賞に一律の加点があると、ここで断定しているわけではありません。
嵯峨美術大学の面接に向けた質問例と回答の考え方
以下は独自の架空の練習例です。省略部分は、本人の実際の作品と経験に置き換えてください。作品を作っていないのに、完成作品や制作過程を創作して答えるための例ではありません。
例1:この作品で何を表現しようとしましたか
私は…(本人の関心やきっかけ)…から、…(表現したい主題)…を考えました。…(観察・調査したこと)…をもとに、…(素材や表現方法)…を選びました。特に…(具体的な工夫)…を通して、見る人に…(伝えたいこと)…を感じてもらいたいと考えました。
作品の説明と、制作意図の説明をつなげる練習です。受け手が実際にどう感じたかと、自分が意図したことは区別しましょう。
例2:制作中、どこを修正しましたか
初めは…(当初の案)…でしたが、…(試作や見直しで気づいた点)…がありました。そこで…(修正した内容)…を試しました。…(比較して確かめた変化)…は得られましたが、…(残った課題)…があります。次は…(改善の方向)…を考えたいです。
上手にできた部分だけでなく、判断の過程を説明する練習です。制作途中の記録があれば、いつ、何を、なぜ変えたかを振り返れます。
例3:その素材や技法を選んだ理由は何ですか
…(伝えたい内容)…を表現するために、…(選んだ素材・技法)…を使いました。…(別の方法)…も試しましたが、…(比較した特徴)…から、この方法を選びました。使う中で…(難しかった点)…があり、…(自分が行った工夫)…を加えました。
専門用語を並べるだけでなく、自分が試して理解したことを説明しましょう。授業や指導で教わったことと、本人が試行錯誤したことを分けて話すことも大切です。
例4:ポートフォリオの作品から、どんな変化が読み取れますか
…(以前の作品)…では、…(当時の関心や課題)…に取り組みました。その後、…(学習・観察・講評などの経験)…を通じて、…(変えた考え方)…がありました。…(新しい作品)…では、…(具体的な変化)…を試しています。今後は…(深めたい表現)…を考えたいです。
作品を時系列で振り返り、学習や関心の変化を説明する練習です。すべての作品に無理に同じテーマを設定する必要はありません。
例5:その領域で何を学びたいですか
私は…(本人の制作経験)…で、…(現在の課題や疑問)…を感じました。…(確認した志望領域の学び)…に関心があり、…(身につけたい知識や方法)…を学びたいです。これまでの…(実際の取り組み)…を続けながら、…(発展させたい表現や問い)…に取り組みたいです。
大学名を入れ替えても通じる説明ではなく、自分の制作と志望領域の学びの関係を整理してください。教員名や授業名を挙げる場合は、公式情報で現在の内容を確かめましょう。
FLOW実績づくりから出願まで、高校生活の流れに沿って支えます
- STEP 01高1〜高2資格・コンテストに挑戦
理系大学が評価する資格やコンテストに、知識ゼロから挑戦します。
- STEP 02高2〜高3春高大接続プログラムに挑戦
大学・研究機関の講座や研究体験への参加を、応募から支援します。
- STEP 03高3夏〜秋出願書類と面接で仕上げる
志望理由書と面接に向けて、資格や探究の経験を自分の言葉で説明できるように支援します。
- 合格第一志望
合格へ
出願可否の判定と日程を確認する
「出願可」は最終合格ではありません。通知を受けた後の出願、合格発表、入学手続まで、順番を確認することが大切です。
2027年度Ⅱ期の面接は、四年制大学が2026年10月4日、短期大学が10月3日でした。四年制大学のエントリー期間は9月21日〜25日で、すでに終了しています。受験する学校種で日付を取り違えないようにしましょう。
Ⅱ期の出願可否発表は10月16日、出願期間は10月22日〜28日で書類必着です。「出願可」の通知を郵送で受け取った人のみ出願できます。出願の段階から専願となり、合格発表は11月16日です。
Ⅰ期は大学の体験授業が9月12日、出願期間が9月24日〜30日でした。Ⅲ期は10月31日の実技型で、出願期間は10月16日〜20日です。2027年度のⅢ期の試験内容に面接はなく、Ⅰ期・Ⅱ期の対話や作品説明と同じ準備では対応できません。
当日は、受付票、作品、ポートフォリオ、自己作成証明書などの必要物を確認します。デジタル作品の印刷状態、映像の長さと再生機器、持参作品の搬入方法なども、本人が事前に確かめてください。
スキルパスでは、本人の制作・探究・活動を振り返り、志望理由と面接・発表の説明をつなげる準備を支援しています。完成作品を大きく見せるより、何を考え、どう試し、何を学んだかを説明することを大切にしています。
公式情報:総合型Ⅰ期・Ⅱ期の案内/総合型Ⅲ期の案内/受験生ガイド。確認時点では公式サイトがメンテナンス中のため、大学が案内する仮サイトの情報も参照しています。出願・受験の際は最新の案内をご確認ください。


