めっきの実習では、表面をきれいに仕上げる技能とともに、電流や材料の性質を学びます。その経験は、応用化学や材料工学を大学で学ぶ理由にもなります。資格証明書に、条件を考えて試した記録を添えられることが、総合型選抜に向けた準備の強みです。
めっき技能士の学習内容と受検する作業
技能検定は、実技と学科で仕事に必要な技能を評価する国家検定です。実技と学科の両方に合格すると、技能士と名乗れます。取得実績として書くときは、級と作業名まで証書どおりに確認してください。
出典:厚生労働省の技能検定制度
めっきは、腐食を防ぐなどの目的で材料の表面を金属で覆う技術です。電気めっき作業の3級では、めっき液の測定やめっき操作、簡単な引っかけの製作などが対象です。液の調合・調整や分析など、2級に含まれる内容すべてを3級で扱うわけではありません。
試験に合格した範囲と、授業・課題研究で取り組んだ範囲は分けることが必要です。学科だけの合格や、別の講習の修了を技能検定の合格と取り違えないようにしましょう。
電気と化学の両方から実習を振り返る
推薦入試で伝えたいのは、作業を終えた事実だけではありません。例えば、学校で取り組んだ電気めっきについて、処理した面積、電流、時間などの記録と、表面の観察結果を整理する方法が考えられます。
結果に違いがあったとき、複数の条件を同時に変えていれば、どの条件が原因かは簡単に決まりません。何をそろえ、何を変えたかを説明することが、化学実験や材料評価につながります。薬品や設備を扱う実習は学校等の指導下で取り組み、手元の記録から考察を深めましょう。写真には撮影条件や自分の担当も付けておくと、資料として使いやすくなります。
探究の経験を生かして検討できる大学
次の3校は、2027年度の要項に研究や実績を説明する機会がある大学の例です。めっき技能士の取得だけによる出願保証や、資格固有の加点を示す一覧ではありません。
| 大学・方式 | 実習から発展させたい内容 |
|---|---|
| 電気通信大学・情報理工学域Ⅲ類の総合型選抜 | 電気化学や材料の研究として、条件・結果・考察を説明する |
| 芝浦工業大学・工学部総合型選抜 | 物質化学分野への関心を、表面処理の実験経験と結び付ける |
| 東京電機大学・工学部とんがりAO | 応用化学等につながる検証の過程と、自分の工夫を報告する |
電気通信大学のⅢ類では、代表的な理工研究の原理・法則、方法、結果等を報告する書類が必要です。めっき実習を題材にするなら、作業手順の紹介から一歩進み、なぜその結果が生じたかを説明できる研究を目指しましょう。2027年3月卒業見込み等の出願資格と合格時の入学確約があり、発表・面接・口頭試問への対策も必要です。
芝浦工業大学の工学部では、物質化学課程の環境・物質工学コースなどとの接続が考えられます。出願課程のサマースクーリング、指定科目の履修、所定の英語スコア等が別に必要です。第一志望で、合格時に入学を確約できることも条件となります。資格学習と並行して、スクーリングの課題や小論文・面接に向けた準備を進めてください。
出典:工学部総合型選抜
東京電機大学の工学部とんがりAOには、応用化学科などがあります。調べ学習にとどまらない探究で知見や成果を導いた経験などが要件に挙がり、自由提出書類には資格証明書等を任意で添付できます。高校卒業・卒業見込みの区分では、数学・外国語それぞれ3.3以上と課程別履修条件があり、第一志望・合格時入学が前提です。
出典:2027年度選抜要項
志望理由書には表面処理の経験と次の問いを
「めっきに興味があります」という言葉を、実習で何を見たのか、どんな疑問が残ったのかに置き換えてみてください。測定や観察でまだ確かめられていない点が、大学で材料や反応を学ぶ理由になります。面接では、教わった説明と、自分で結果から考えた説明を分けて話せることも大切です。
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